03 1月

Tidal Wave Story − 津波物語 −

アメリカ、ワシントン州シアトルにある消防署13分署は1928年に開設されました。
1987年には、「津波物語」の七つの石碑を含む擴張、改良工事が行われ、2012年4月には耐震及び安全対策が施されました。「津波物語」の碑の作者であるエレン•ジーグラーさんはハーン作品の大ファンであり、腰掛けに似た石の一つ、一つには火に因んだハーンの書いた日本の挿話「生神」を刻んでいます。

SFD 13 plaque

Plaque of Seattle Fire Station 13

Seattle Fire Station 13 was built in 1928. Its intensive expansion and renovation in 1987 result in many improvement including “Tidal Wave Story”

Seven shapes-1

Fire Station 13 and Tidal Wave Story

Seismic and safety upgrade completed in April 2012. Seven bench-like forms ranging from 12 to 18 inches high were placed in curve in front of the station

Tidal Wave Story Ellen Ziegler

Plaque of Tidal Wave Story

Concrete, terrazzo, stainless and CORTen steel, sandstone were used and funded by Department of Administrative Service


津波物語 −海の向こうで伝えられる「稲むらの火」−

1_There was once
There once was an old farmer in Japan who saved an entire village from destruction by a tidal wave

昔々、日本に津波被害から村を救った老いた農民がいたそうな。

注:海岸線をイメージしています。大理石に銅を散りばめた文字で作られています。

2_He could see
He could see it advancing on the coast from his mountaintop home and could not warn the villagers in time

丘の上にある家から津波が海岸に近づくのが見えたが、それを村人たちに直ちには伝えらない。
注: 三角は山を意味します。文字が書かれた帯のような直線は、山頂につながる道です。

3_So he set
So he set his newly harvested rice corp on fire

 それで、収穫を終えたばかりの稲に火をつけたとさ。
注: 炎をイメージしています。錆び止めのコーティングの為に、オレンジ色になっています。

4_All the villagers
All the villagers rushed up the mountain carrying water to put out the fire

全ての村人が水を手に、その火を消すために山を駆け上がったとさ。
注: バケツに入れた水をイメージさせたものです。ステンレス鋼製です。

5_Just as they reached
Just as they reached the top the wave broke upon the shore

村人が山の頂きに辿り着いたところで、高い波が海岸に打ち寄せ砕け散ったとさ。
注: 押し寄せる波のイメージです。砂岩で作られています。

6_Over four hundred
Four hundred lives were saved by the old farmer’s foresight and because the villagers had came to his aid

火事から老いた農民を救おうとして駆けつけた村人400人の命がその老人の機転で救われたのだ。
注: 十字は救助を意味します。表面が小石で散りばめられている四つの正方形は、救われた400人を表しています。

7_This is a true story
This is a true story

これは、(1854年の安政津波時にあった)実話です。
注: 本が少し開かれた形になっています。花崗岩に文字が刻まれています。
− 編集後記 −
 作者のエレンさんに対して、何故消防署の前の碑に「生神」(稲むらの火)の物語を選んだのかを聞いてみた。エレンさん曰く、「梧陵さんは、「水」の災難から「火」を使って人命を救いました。一方、消防士は、「火」の災難から「水」を使って人命を救うのが使命。両者は、対局にあるかも知れませんが、人命尊重の観点からは両者とも同じ考えを持ち合わせているのだと思います。」興味深い考察だと思った。「津波物語」に関しては、アットワーター教授著の「1854 Tsunami」でも紹介されています。
 尚、この掲載はエレンさんの協力を得て実現したものです。写真に関しては、シアトル在住の知人のゲリーが撮ってくれたものを使用しています。

Special Thanks to Ms. Ellen Ziegler and Mr. Gary Kerr (Photo)