24 11月

産経新聞 大阪版 平成23年3月12日 死者1000人超 国内最大M8.8 津波10メートル

「死者1000人超 国内最大M8.8津波 10メートル」
平成23年3月12日  産経新聞 大阪朝刊1面

宮城震度7 福島・南相馬1800世帯壊滅 11日午後2時46分頃、三陸沖を震源とするマグニチュード(M)8.8の巨大地震があった。気象庁によると関東大震災(大正12年)のM7.9、阪神大震災(平成7年)のM7.3などを上回り、国内観測史上最大。同3時15分頃にも茨城県沖を震源とするM7.4の地震があり、たびたび強い余震も起きた。同庁は太平洋岸の広い範囲に大津波警報を発令。東北では沿岸部のほか内陸にも波が押し寄せ、建物や人などが次々と流され、海岸近くなどで多数の遺体が見つかった。防衛省によると、死者は千人を超える見通しで、多くの行方不明者やけが人も出ている。 宮城県栗原市で震度7、同県や福島、茨城、栃木の各県で震度6強を記録。警察や気象庁によると、仙台市の仙台新港で高さ約10メートルの津波が確認されたほか、福島県相馬市で同7.3メートル、茨城県大洗町で同4.2メートルなどが観測された。
気象庁によると、三陸沖地震の震源地は牡鹿半島の東南東130キロ付近で、震源の深さは約24キロ。岩手県や宮城県の沿岸部などを中心に津波が襲った。
警察などによると、宮城県では、名取市や石巻市の海岸沿いで多数の家屋が流され多くの不明者がいるもよう。仙台市では沿岸部で多数の遺体が見つかったほか、宮城野区にあるJX日鉱日石エネルギー仙台製油所の液化石油ガス(LPG)タンク付近では爆発を伴う火災が発生。気仙沼市でも広い範囲で火災が起きた。
仙台空港は冠水し、全ての飛行機の離着陸を停止。東松島市では市の約50%が冠水し、航空自衛隊松島基地もほぼ全域が水没した。JR仙石線野蒜(のびる)駅近くでは列車2本と連絡が取れなくなり、うち1本(4両編成)は線路と離れた場所に流されているのが確認されたが、もう1本は不明。宮城県によると、女川、南三陸両町とはほとんど連絡が取れないという。
岩手県では山田町で死者が多数出たほか、大船渡市では300棟以上が崩壊・流出。大船渡線の列車と連絡が取れていない。福島県南相馬市の約1800世帯が壊滅状態という。
JR東日本は、新幹線や、東北地方と首都圏の在来線全ての運転を終日見合わせ、首都圏では都市機能がまひ状態に陥った。ライフラインも寸断され、東北や関東などで計約855万戸が停電した。

20110420_001産経新聞 大阪本社 知的財産管理センターの許可の元に掲載しております。
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産経抄 平成23年3月12日

【産経抄】

 実を言うと本稿は、菅直人首相の献金疑惑を書く予定だった。ちょうどそれを書き上げたところで東京の大手町もグラッときた。弊社の入るサンケイビルは柔構造で特に揺れは大きく、思わず壁にしがみついてしまった 
▼だが、一息ついたところでテレビニュースを見ると、東北地方の惨状はそんな生やさしいものではなかった。大津波が巨大なゴミを巻き込みながら家を襲い、車をのみ込んでいく。津波は10メートルにも達したところもある。悪夢なら早く覚めよと祈った 
▼東北地方での津波と言えば、明治29(1896)年の三陸大津波である。3万人近い被害者が出たが、このときは夏祭りの準備中で逃げ遅れた人が多かったという。小泉八雲がこの話と安政年間の和歌山地方での地震を結びつけて書いたのが「生神」という作品である 
▼戦前は「稲むらの火」として教科書にも載った。地震が起きた直後、津波がくることを予感した村の庄屋の五兵衛が自分の田んぼの稲むらに火をつける。そのことで祭りの準備で気付いていない村人を高台にまで導いて助けたという話だ 
▼今回の地震は平日の午後に襲った。「稲むらの火」のように祭りの準備などに追われていたわけではないが、みんなが仕事で走り回っている最中だった。テレビで津波警報が出ても、揺れに対する恐怖などで気づかず、高いところに逃げる余裕がなかった人もいるかもしれない 
▼むろん被害の規模などまだわからないが、16年前の阪神大震災に匹敵するような惨害となる恐れもある。政府が国会審議をとりやめ、緊急対策本部を設置したのは当然だ。与野党ともしばらくは「政争」など休戦にして、国をあげて対策に取り組むべきだ。