07 10月

Cascadia Rising – Exercise Scenario Document –

「世界津波の日」も近づいていますので、北米の太平洋岸の地震、津波への備えとして作成された「カスケード・ライジング」を紹介させて頂きます。ウエスタンワシントン大学のパシィーグリーン教授のグループによって作成されたもので、ワシントン大学のアットワーター教授から紹介があったものです。英語ではありますが、日本の内閣府が出す被害想定などとも比較することもできますし、彼らの自然災害に対する違った視点も我々の参考になるのではと思います。以下のURLで閲覧できます。

Cascade Rising

Cascadia Rising 高画質版

資料の理解を深めて頂くために、補足説明をさせて頂きます。まず、「カスケード」とは地域の名前になります。資料の説明にもあるように、Casdadia Subduction Zone (CSZと呼ばれるバンクーバ近郊の島々からカリフォルニア州北部に達する1000キロ以上の海底断層。南海トラフの巨大地震と同じように500年、1000年とい言われる周期的に大震災が発生しています。)と呼ばれる過去にも大地震(1700年1月26日には、地震によって発生した津波が日本の沿岸に到達したことがわかっています)を誘発したこともある地域です。

個人的な見解ではあるが、日本のように資料は内閣府が発表し、その数字だけをメディアが伝えるのでは事実が伝えられないのではないだろうか。例えば、ワシントン州、オレゴン州に於いて、その地震によって影響がある想定人数(津波の影響がある地域には86000人が住んでいると想定、20000人が避難困難とされる)などの記述もあり、その中の最悪15000人が津波などによって命を奪われる可能性があると、数字にも具体的な説明がなされています。(日本の場合は、震源地によって、その人的被害が何人になると想定されているが、地域的な細かい説明はないように思う。)

また、熊本大学の松田教授からもご教示頂いたように、熊本地震でも市内には液状化の為に陥没した場所(過去に運河であったなどの)があったこともわかっています。資料では、液状化現(liquefection)の起こると想定される場所の地図なども施されています。自分が知る限りでは、液状化現象の可能性のある場所を記した避難地図などは日本では作成されていないように思います。(経済至上主義の今の日本では、無理からぬことかもしれないが。人の命を守ることを第一に考える時期ではないだろうか。)他にも、自分自身も想定外であったダムの崩壊などの危険性に関しても言及されていることには驚きました。確かに地震によるダムの崩壊などはイメージすることは難しいのかも知れないが、福島原発での事故のことを考えれば完全には排除できない危険性なのかもしれない。(広川町にも、広川ダムがあるが、激震に対してどのよう問題が発生するかは見当もされていないのではないだろうか。最近の異常気象<とは言えないのかもしれませんが>を考えると、何が起こっても不思議ではないのかもしれないが。)

避難施設に関しても、日本では避難所は被害を受けないと考えられているように思う。しかし、耐震化などがされた建物でも、ある程度の被害が考えられるように思う。(資料では、被害によってのレベル分けがされている。広川町では、標高のみによって津波避難施設のレベル分けがされているが、建物への被害に関する想定は全くなされていないように思う。避難施設の建築年などによってある程度の想定はできるのではと思うのだが。)資料では、訪問者(最も避難所が必要な人たち)の避難に関しても言及されているのも、我々の参考とできることではないかと思う。(災害時のことを考えれば、住民にしても方角が分からなくなることもあるのではと思います。見慣れた風景が一変し、冷静に物事を考えられないだろう。)オコスタ学区の避難施設に関しては、サイエンス誌に掲載されたマクナット教授やシアトルタイムズ紙の記事を参考にして頂ければと思います。また、資料にも言及されているワシントン大学の「M9プロジェクト」も参考にできる情報源だと思います。

我々もハーン(小泉八雲)のように、オープンマインドで自然災害にも向き合っていくべきではないだろうか。

 - NOTE -
Thanks to Dr. Rebekah Paci-Green of the Western Washington University, the "Cascadia Rising" now can be shared with those people who may be interested in "Imamura-ho-Hi" or Goryo Hamaguchi. 


ウエスタンワシントン大学のパシィーグリーン教授の承認を得て、「カスケード・ライジング」へのリンクを紹介させて頂いています。また、同教授にも「生神」をお読みになって頂けたようで、当ホームページを管理する者として、嬉しく感じています。

尚、資料には東日本大震災の時に撮影された遺体安置所の写真も含まれています。PTSDの配慮も必要ではとも思いますが、遺体イメージを通して命の大切さを感じることもできるのではと思います。遺体安置所の写真の掲載は適当でないと思われる閲覧者はリンク先へのアクセスはご遠慮ください。